レビュー:米中決戦後の世界地図 渡邉哲也

米中の衝突がここへきて激しさを増しています。

東西冷戦後のグローバル化の恩恵を一番に受けていたのが中国です。

 

SDR(特別引出権)入りを果たしいずれは自由経済・資本主義社会へ移行するだろうと欧米諸国も考えていました。だが約束は反故にされ自由経済のいいとこ取りだけする中国に段々と批判が強くなっていきました。

 

 以前よりアメリカは中国への締め付けを厳しくしていたが最大の貿易国ということもあり躊躇。だけども武漢から流行が始まった新型コロナウィルスの流行がデカップリングの動きを早めることになリマス。そして今回の香港の国家安全維持法制定が決定的となりました。国際公約を平然と破る行為であり中国への対立姿勢を強めることになりました。人権や自由を国家理念に掲げるこれらの国々は到底見過ごすことはできないからです。

 

 中国は外交がとてもうまい国という認識がありましたが、ここ近年習近平を見ているととてもそうは思えません。ある国とぶつかる時にはその周りとは仲良くするのが常道ですが、あちこちというより全方向に喧嘩をふっかけているように見えます。

 

 日本はリーマンショック後、円高に見舞われ国内の生産拠点はは中国へ移され国内は空洞化が進みました。しかし人民元はいくら稼ごうにも国外へ持ち出すことができず中国国内で再利用するしか使い道がありません。結果技術だけが奪われ安価な労働力で生産された製品が日本に流通し日本企業を苦しめてきました。日本としてはアジアに位置するが中国とは価値観が大きく違います。

目先の利益を追うのか長期的な視点に立って自由や人権という価値観を守っていくのか選択する時がきています。

 

 

米中決戦後の世界地図 日本再興が始まる

米中決戦後の世界地図 日本再興が始まる

  • 作者:渡邉哲也
  • 発売日: 2020/07/31
  • メディア: 単行本